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11/16(火) 10:00配信
Slackが年次イベント「Slack Frontiers」において、ワークフローやアプリ開発の環境を強化した次世代のSlackプラットフォームを発表した。ワークフローのノーコード/ローコード開発ツール「Slackワークフロービルダー」についても大幅な機能強化がなされる。メディア向け説明会およびプロダクト担当幹部インタビューの内容をまとめてお届けする。 【もっと写真を見る】
写真:アスキー
Slack(米Salesforce.com傘下)は2021年11月16日、年次イベント「Slack Frontiers」をオンラインで開催し、Slackプラットフォームの機能強化を発表した。中核となるのは非開発者がワークフローを作ることができるノーコード/ローコードツール「Slackワークフロービルダー」の強化、アプリ開発環境の強化など、次世代に向けたプラットフォームの再構築となる。本稿では、メディア向けブリーフィングおよびSlackプロダクト担当VPのイラン・フランク氏インタビューの内容をまとめる。 “デジタルHQ”は「生産性とコラボレーションを支えるインフラ」 Salesforceによる買収発表から1年が経過し(買収発表は2020年11月、完了は2021年7月)、Slackは自社のもたらす機能を「デジタルHQ」(会社を動かすデジタル中枢)と位置付けている。Salesforceのクラウド製品との統合も進めており、Salesforceに蓄積されたデータやTableauの分析結果をSlack上のコミュニケーションに組み込む“Slackファースト”な仕事のやり方を提案している。 Slackの共同開発者でCEOを務めるスチュワート・バターフィールド氏は、デジタルHQは「生産性とコラボレーションを支えるインフラ」だと説明する。したがって、本質的には物理的なHQ(ヘッドクオーター=本社社屋)と変わらないとも言える。ただし「デジタルHQは(一旦構築すれば)簡単に進化させることができる。あれこれ試してみて学ぶことができる」と、違いがあることも説明する。 次世代のSlackプラットフォームとしてアプリ間連携を大幅強化 Slackは、バターフィールド氏らが写真共有サービス「Flickr」を売却後、分散環境でゲーム開発を進めていたときに生まれた副産物であることは有名な話だ。「これは便利だ、と思わせるものだった。このシステムなしには仕事ができないと思い、こちらの開発にフォーカスを移すことにした」(バターフィールド氏)。このときに感じた価値の1つが「統合」だったという。その後Slackを創業し、単なるビジネスチャットではなく、やり取りの中で仕事そのものが進められる「プラットフォーム」へと進化させてきた。 今年のFrontiersにおける発表の目玉は、「ワークフロービルダー」の大幅な機能強化だ。ワークフロービルダーは2年前のFrontiersで発表され、すでに40万人以上のユーザーがそれを利用してワークフローを構築している。Slackによると、ユーザーの80%が非技術部門の社員だという。 プロダクト担当VPのフランク氏は、ワークフロービルダーも含めたSlackプラットフォームの強化点として3つを紹介した。 1つ目は、再利用できるトリガーやファンクションを提供する「ワークフローブロック」だ。「チャンネルを作成する」「DMを送る」「ハドルミーティングをスタートする」といったSlack内蔵機能だけでなく、「Outlookカレンダーでイベントをスケジュールする」「Jiraでインシデントのチケットを作成する」といった外部アプリケーションの機能ブロックもあり、これらを組み合わせてワークフローを簡単に作成できる。 例えば「Workday」と「Jira」を組み合わせたワークフローの例だ。Workdayに新入社員が登録されると、それをトリガーとして支給するスマートフォンの選択画面を表示し、選択が終わるとJiraのチケットが自動発行される、といった使い方が考えられるという。あらかじめブロックが用意されているため、Workday側でもJira側でもコードを書くことなくSlackで2つを結びつけることができる。 2022年初頭には「条件分岐」の機能もリリース予定だという。たとえばユーザーに質問し、その応答としてクリックしたボタンや回答内のキーワードに応じて違う処理を自動実行できる。またワークフローの管理機能も強化する予定で、2022年全範囲はワークフロー関連の権限管理を行える「ロール(役割)」機能をリリースするとしている。 2つ目は「Slack-firstなカスタムアプリ開発」のための機能拡張だ。開発者向けに、新たにコマンドラインツール「Slack CLI」やSDK(ソフトウェア開発キット)を提供するほか、Slack上でアプリだけでなくデータのホスティングもできるようになる(オプション)。フランク氏は「Slack上でカスタムアプリを開発する際の障害を取り除く」と説明する。同機能は現在プライベートベータで、間もなく提供を開始する。 3つ目は「メタデータ」機能だ。アプリ開発者は、人間のユーザーに対する通知メッセージに、他のアプリケーションが参照できるメタデータを付与して送信させることができる。先述したWorkdayとJiraの例ならば、新入社員がオンボードしたという(人間への)通知メッセージに「氏名」「部署」などのメタデータを付与して送信することで、Jiraでの自動処理に利用できる。このメタデータの仕組みによって、異なるアプリやツールがSlackを介して効率よくやり取りできるという。 メッセージへのメタデータ付与機能は「Slackコネクト」でも使うことができる。フランク氏は製造業でのユースケースを例に挙げた。Slackコネクトを通じ、外部サプライヤーから「材料不足で納品に1カ月の遅れが出る」といったメッセージを受け取った際、「材料名」や「量」のメタデータを付与することで、自動的に他のサプライヤーを探して意思決定を支援するようなアプリが開発できると説明した。 フランク氏は、新世代のSlackプラットフォームに追加された機能群によって「これまで異なるシステム間を接続するためにはコンサルタントやSIerが必要だったが、Slack上で簡単に連携できるようになる」と説明する。 なおSlackコネクトについては、2022年より最大250社(現在の上限は20社)の外部組織まで接続できるようになることも発表された。また2021年中には、大規模なプロジェクト向けに安全な作業環境をSlack内に設定する機能も加わるという。 Frontiersではこのほか、「Sign in with Slack links」として、Slackアカウントを使って他のアプリにログインできる機能も発表された。 「Slackは“働く場所”」、市場でもデジタルHQの強みを生かす ワークフロービルダーのようなノーコード/ローコードツールは、非開発者による開発を奨励する企業文化も不可欠である。フランク氏は、Slackとしては「ツールの機能をパワフルにすること」「シンプルにすること」で側面支援していくが、やはり非開発者が積極的に開発に取り組む文化こそが「成功を左右する最大の要因だ」と認める。 ノーコード/ローコード市場には多くのベンダーがひしめき合い、その一部では競合も起きるが、フランク氏は「Slackの強みはエンゲージメントにある」と自信を見せる。「Slackは“人々が働く場所”だ。ユーザーは他社ツールも使うだろうが、自分のワークフローを構築する場所としてはSlackを選ぶだろう。Slackは同僚、パートナーなど、人とやり取りをする場所だからだ」。 Salesforceによる買収後、フランク氏はSlack側の製品責任者として、Salesforce製品との統合を進めているという。「両社は買収前から提携関係にあったが、買収後は統合に向けた勢いが加速している。Salesforce側には20のチームがあり、これから1年の間、統合作業を進めていく」。 “デジタルHQ”のビジョンについては、SlackコネクトやSlackハドルミーティングといった機能の登場がその実現を後押ししていると述べた。特にSlackコネクトについては、「Fortune 100」企業の77社がそれを採用してパートナーとのやり取りを行っており、Slackコネクトでつながる企業数は約10万社と、この1年間で200%増加したという。「デジタルHQが提唱する“デジタル”には、もちろん顧客やパートナーも含まれる」とフランク氏は強調した。 文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp
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