香港とシンガポールは、新型コロナウイルス対策の隔離措置なしでの相互往来を可能にする「航空トラベルバブル」を再び延期した。シンガポールで変異株の感染が拡大していることを受けて、香港は同国を高リスク国に指定した。これによりシンガポールから香港への渡航者は、航空機搭乗前に陰性証明を提出するほか、到着後21日間を指定ホテルで自主隔離しなくてはならない。
香港政府は17日の声明で、来月13日までに新たな発表があると説明。シンガポールのイスワラン運輸相は、トラベルバブルを始める基準を同国が満たすことができず、香港側と開始を遅らせることで合意したと述べた。26日開始を予定していた。
両政府ともにトラベルバブルの取り組みに変わりはなく、「厳重な公衆衛生の監視手順に基づき段階的かつ秩序ある方法で、地域の主要航空ハブおよび国際都市である香港とシンガポール間で空の旅再開を目指す」と香港政府は表明した。
シンガポール政府は先週、感染経路不明の感染者増加を背景に、6月13日まで1カ月間のロックダウン(都市封鎖)的な制限措置を導入した。新規感染者数の急増がチャンギ国際空港でのクラスターに関連していることを受けて、2つのターミナルと空港の複合施設「ジュエル」を2週間閉鎖。レストランでの飲食も禁止されている。
こうした感染急増を受けて、香港はシンガポールを高リスク国に再指定。17日の声明によれば、高リスク国リストにはこのほか、アルゼンチンやイタリア、ケニアなどが含まれている。
航空トラベルバブルは当初、昨年11月に始まる予定だったものの、香港でのコロナ感染拡大で実施が先送りされていた。
原題:Hong Kong, Singapore Delay Anticipated Travel Bubble Again (2)(抜粋)