12月22日 18時18分
阪神・淡路大震災で被災した人の生活再建のために兵庫県が貸し付けた「災害援護資金」のうち、返済の見込みが立っていないおよそ2億円について、斎藤知事は債務者の高齢化が進み、経済状況も一層悪化しているとして、全額を免除する方針を表明しました。
兵庫県は、平成7年の阪神・淡路大震災で住宅が損壊するなど被災した人が生活再建を進められるよう国と協力して「災害援護資金」を貸し付けていて、これまでに市や町を通じておよそ2万5000人にあわせて532億円を貸し付けました。
その後、所得の低い一部の世帯を対象に免除する措置も取られましたが、先月(11月)末時点で県内9つの市で県が出資した分のおよそ2億円が返済されていません。
こうした中、兵庫県の斎藤知事は、22日午後、尼崎市、西宮市、芦屋市、それに淡路市の市長と県庁で会談し、債務者の高齢化が進み、経済状況も一層悪化していることから、これ以上、返済を求めるのは難しいとして、全額を免除する方針を表明しました。
また、国が出資した分の未返済分についても免除を含め、債務者の負担の軽減を県と市で国に求めていくことを確認しました。
斎藤知事は、「物価高で経済的に苦しくなる人が増えている中で、資金を借りた人は高齢化している。一定の判断をする時期に来た」と述べました。
西宮市の石井市長は、「県の判断は一歩前進だ。国が出資した分の未返済分についても県とともにしっかりと国に働きかけていきたい」と述べました。