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がんの早期発見 素朴な疑問に答える
2021/2/5 梅方久仁子=ライター
日本人の死因のトップに君臨し続ける「がん」。この病気で命を落とさないために、私たちは自治体で受けられるがん検診や人間ドックをどのように利用していけばいいのだろうか。がんの早期発見に関する素朴な疑問を解決していく本特集。第2回となる今回は、食べ物の通り道である消化管に発生する「胃がん」「食道がん」「大腸がん」の検診について、引き続き近藤しんたろうクリニック院長の近藤慎太郎さんに聞いていく。
『がんの早期発見 素朴な疑問に答える』 特集の内容
今回の素朴な疑問一覧
第2回 胃がん・食道がん・大腸がん編
1
胃がん検診で、胃内視鏡とバリウム検査はどちらがいい?
2
胃内視鏡、鼻から入れるタイプと口から入れるタイプの違いは?
3
胃がん検診ではピロリ菌の検査も同時に受けたほうがよい?
4
ピロリ菌が陰性なら胃がん検診は受けなくても大丈夫?
5
食道がんは、内視鏡検査以外に見つける方法はあるの?
6
便潜血検査って本当に大腸がんの早期発見に役立っているの?
7
大腸内視鏡も定期的に受けたほうがいい?
8
大腸に見つかったポリープは全部取るべき?
大腸がんと胃がんは、日本人のがんの部位別死亡数で2位と3位を占める、非常にメジャーながんだ(表1)。男女別に見ると、大腸がんは女性の1位、男性の3位。胃がんは男性の2位、女性の4位を占めている。
(2018年、人口動態統計より)
この2つのがんは、いずれも自治体のがん検診(対策型検診)の対象となっている。胃がんではバリウムを使った胃部X線検査または胃内視鏡検査のいずれかが、大腸がんでは多くの場合、便潜血検査が受けられるはずだ(第1回参照)。
一方、人間ドックを受診すれば、大腸がんに関しては、大腸内視鏡検査などもオプションで受けることができる。胃がんの原因とされるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の検査も可能だ。これらの検診や検査はどのように選んでいけばいいのだろうか。胃がんの場合、ピロリ菌が陰性あるいは除菌後であれば、検診は受けなくても大丈夫なのだろうか。また、最近増加している食道がんの場合、自治体による検診は用意されていない。早期発見のためにはどのような検査を受ければいいのだろうか。
今回も引き続き、がん検診に詳しい近藤しんたろうクリニック院長の近藤慎太郎さんに詳しく聞いていこう。
素朴な疑問 1
自治体の胃がん検診では、長らく胃部X線検査(いわゆるバリウム検査)が実施されてきた。これは、検査を受ける人があらかじめバリウム(造影剤)を飲み、バリウムが胃の表面を滑り落ちていく様子をX線で撮影して、ひだや隆起などの有無を観察するものだ。だが近年、胃内視鏡検査にも胃がんの死亡率を減少させる効果が明らかになったことから(*1)、近年は自治体の胃がん検診でもバリウム検査または胃内視鏡検査のいずれかを実施するようになった。人間ドックでも、バリウム検査か胃内視鏡を選べることが多い。
「バリウム検査か胃内視鏡を選択できる場合は、断然、内視鏡がいいでしょう」と近藤さんは言い切る。その理由は、胃内視鏡検査はバリウム検査と違って胃の内部を直接観察できる上に、胃の手前にある食道も観察できるからだ。
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