詳しく検索する
東京理科大学で「HEXAGON/TUSデジタルツインラボラトリ」を設置、運営している同大学工学部情報工学科教授の藤井孝藏氏(工学博士)と、同大学工学部情報工学科HEXAGON/TUSデジタルツインラボラトリ教授の松尾裕一氏(工学博士)が2021年11月11日、イベントで講演し、「デジタルツインの研究開発を担う人材を育成するとともに、企業との共同研究とデジタルツインの実践を目指したい」と語った。
イベントはスウェーデンHexagon(ヘキサゴン)の事業部門の1つであるHexagon Manufacturing Intelligence(Hexagon M.I.)が主催した「HxGN LIVE JAPAN」(11月11・12日、パシフィコ横浜会議センター)で、Hexagon傘下になったCAEツールベンダーのエムエスシーソフトウェア(東京・千代田)が毎年開催していたイベントの実質的な後継。理科大の同ラボラトリはHexagon M.I.との共同研究契約に基づく5年間以上の長期研究プロジェクトだ。
同ラボラトリは、主として製品開発設計段階や生産準備段階における製品のデジタルツインを手掛ける。20年に開設したが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて実質的に活動できなかったという、現在は本格的に動き出したところで「学生も7人所属している」(松尾氏)。デジタルツインを構成するためのさまざまな要素技術、すなわちCADやCAE、AR/VRに加えてデータサイエンスや機械学習にも通じた人材の育成を目指しており、小規模な製品を対象としたデジタルツイン構築の演習などを実施している。
人材育成に当たっては「学生に限らず、企業に所属する社会人にも来てほしいと考えている」(藤井氏)。「デジタルツインは、製品設計プロジェクトの早期から後期に至るまでの各段階でそれぞれ目的や必要な精度が異なる。限られたデータを基にデジタルツインを構築しなければならない場合や、結果を短時間で得る必要がある場合もある。状況に応じて柔軟にデジタルツインを構築、利用していける人材の育成も目指したい」(同氏)という。
企業との協力は人材育成にとどめず、実際の開発設計にデジタルツインを適用する共同研究や実践にも取り組む考え。その目的で「Smart Factory研究センター(仮称)」の設立を計画している。「真に有効なデジタルツインの導入を進めたい。企業の積極的な参加と協力をお願いしたい」(同氏)。
藤井氏、松尾氏はともにJAXA(宇宙航空研究開発機構)出身で、長年流体シミュレーションなどに取り組んできた。
AIの誤判断が原因で事故につながるケースも?
AIの安全性担保には機能安全規格への適合が必要であり、現在AIの機能安全規格の策定が進められております。本セミナーでは機能安全の基礎や考え方、AI搭載システムを機能安全規格に適合する方法などについて解説します。
詳細とお申し込みはこちらから
ランキング一覧
トヨタ流マネジメントの神髄である「トヨタ流原価企画と原価管理」の入門編です。「利益の95%以上は…
コンサルティング現場を通じてつちかったモジュール化手法を学べるセミナーです。モジュール化の失敗事…
クルマの電子部品の信頼性評価法・解析法について、基本から事例を交えて紹介します。特に、電子製品に…
再生可能エネルギー由来の水素製造について技術的な動向を紹介し、コスト構造について詳細に説明する。…
現役の組み込みエンジニアが自動車サイバーセキュリティー規格 「ISO/SAE 21434」を解説…
セミナー一覧
「2050年炭素中立」を実現する注目技術、最新動向を徹底解説
小型EVを対象に、製作方法の観点からEVに必須の要素技術を解説。元SUBARUの技術者が実際に造…
トヨタに迫る GAFAの脅威 アップル、グーグル、アマゾン…デジタルの覇権を握る巨大企業たちがつ…
製造業DXの現状や課題、今後の方向を独自調査。「ものづくり」が進む未来を提示します。業界動向の分…
日経BPでは、ISO 26262およびAutomotive SPICEのコンサルティング企業であ…
書籍一覧
Copyright © Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.