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帝王学とは、国王など特別な地位に就く人物に施される教育のこと。教育の内容に厳密な定義はないが、学問分野における幅広い知識に加えてリーダーシップや儀礼作法など、全人格的な教育が施されるといわれている。なおより広義の意味としては、政治家や企業経営者などが後継者を育成する際に行う教育も帝王学と呼ばれることがある。
帝王学を受けた人物として有名なのは英国の故エリザベス女王だ。エリザベス女王は宮廷家庭教師のもとで聖書、文学、算数、歴史・地理などの学問や絵画、音楽、ダンス、乗馬などを学び、年長の王侯貴族から同年代の一般市民までさまざまな人と触れ合うことで女王としての素養を培った。
こうした英才教育の手法は、もちろん王族だけではなくリーダーの立場に就く一般市民(次期経営者)などにとっても有益だ。この記事では、現代のビジネスリーダーたちが受けた帝王学について取り上げた過去記事を紹介していく。
最初に紹介するのは故エリザベス女王の話題だ。現代の英国が社会的にも政治的にも劇的な変化を遂げる中、70年にわたり王室を維持し、国民の尊敬を集めてきた手腕は多くの識者たちから評価されている。
天皇として初めて帝王学を学んだのは昭和天皇。しかしその実態は「明治維新後の政治体制が人工的に作った、自らの意思を示してはならない天皇」だったという。正式な手続きを経た臣下の決定を却下してはいけないという教えのため、昭和天皇は本人の意思とは関係なく戦争開始の決断をすることになる。
JTの前身、日本専売公社のエリート社員たちは、若いうちから工場長を任されるなど「経営者候補」としての帝王学をたたき込まれてきた。そのシステムは官僚組織と似ている。しかし民営化後は従来の官僚組織に準じたキャリア制度が廃止され、経営を担える人材の育成が追いついていない状態だという。
アサヒグループホールディングスの会長兼CEO(=最高経営責任者、記事公開当時)、泉谷直木氏は経営者が「交代」するタイミングについて「業績がいいうちに」「最速で走っているときに次に渡すことが大事」と語る。また周囲に「帝王学が始まっている」と意識させて後継者への信頼を高め、安心感、安定感につなげることが必要だという。
2016年にホンダの執行役員日本本部営業企画部長に就いた鈴木麻子氏は、同社で初となる「生え抜き女性役員」だ。同氏は40代のうちからアジア各国に赴任し、関連会社の役員や経営トップを務めることで「実践による帝王学」を身に付けてきたという。
樫尾4兄弟によって設立されたカシオ計算機は、現在「第2世代」の樫尾和宏氏が社長を務める。和宏氏は父親である先代の和雄氏のもと、経営企画など重要部門を歴任してきた。役員になってからは「ほかの役員とは異なるきつい口調で叱責されていたこともある」といい、将来の社長候補として早くから帝王学を学んできたことがうかがえる。
21年4月にNECの社長兼CEO(最高経営責任者)に就任した森田隆之氏。前任者の新野隆元社長兼CEOによると、森田氏は「経理財務畑でないところからCFOになった初めての人」だという。新野氏は先例にとらわれることなく、これまで経理や財務の経験を持たなかった森田氏をCFO(最高財務責任者)に据えて、次期社長としての帝王学を学ばせてきた。
帝王学は国王や天皇といった君主だけでなく、多くの企業経営者たちも学んできた。その内容はさまざまだが、いずれも組織のリーダーとして必要な知識や素養を身に付けさせることを目的としている。多くの帝王学の事例を知ることは、私たち自身の可能性を伸ばすうえでも有益だろう。
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