熱があったり、食欲がなかったり。子どもの体調が悪いとき、何を食べさせればいいのでしょうか。また、食べさせないほうがいいものはあるのでしょうか。病気のときの食事にくわしい、細田明美さん(管理栄養士)に教えてもらいます。
今回は、熱を出したときの食事です。
医療監修:草川功(聖路加国際病院 小児科 医長)
熱が高く具合が悪いときは、まず水分を補給し、食欲がないのであれば無理に食べさせないようにします。食欲が出てきたら、子どもが喜ぶ食べ物をあげてもいいですね。甘いものなどを、少し食べるだけでも元気になることがあります。
注意したいのは脱水症状です。水、麦茶、イオン飲料などを、こまめに飲ませましょう。
発熱によってビタミンやミネラルが失われ、体力も消耗しています。まずは、水分と栄養が補給できて、消化しやすいスープなどを与えていくといいですね。
たっぷりの野菜を煮出したスープは、ビタミンやミネラルも補給できます。
野菜の皮をむいて、ざく切りにします。薄く切って煮ると、早くやわらかくなります。
野菜と水を火にかけ、煮立ったら中~弱火にします。15~20分ほど、野菜がやわらかくなるまで煮ます。
スープをこして、野菜と分けます。
まだ食べられないうちは、スープの上澄みを飲ませます。
少し食べられるようになってきたら、やわらかくなった野菜をすりつぶして、ペースト状にしたものを食べさせましょう。すりつぶすときにスープを足したり、牛乳や豆乳を加えてポタージュスープにしたり、おかゆに混ぜたりしてもいいですね。
固形のものが食べられるようになってきたら、消化しやすいおかゆやうどんなどの炭水化物でエネルギーを補給してください。
おかゆにビタミンをプラスした、にんじんリゾットです。
まず、基本となる「にんじんライス」を作ります。
にんじんをよく洗って、皮付きのまますりおろします。
バターは4~5mm角に切っておきます。
炊飯器に、米・水・すりおろしたにんじん・スープのもとを入れます。
※水は釜の目盛り(2合)を目安に、水加減を調整しましょう。
バターを入れて、軽く混ぜてから炊いてください。
バターで風味とコクが出ます。にんじんに含まれるビタミンAは油との相性がよく、吸収もよくなります。
炊き上がったら、よく混ぜ合わせてできあがりです。
炊き上がったごはんに、しらすやサクラエビを加えてざっくり混ぜ、塩で味を調整したら、大人もおいしく食べられる栄養満点にんじんライスになります。
にんじんライスを取り分けて、リゾットを作ります。
にんじんライスと水(または野菜スープ)を火にかけます。
煮立ったら、弱火にして5分ほど煮ます。
火を止めて、チーズを振り入れ、よく混ぜ合わせたらできあがりです。
食欲がでてきたら、リゾットに卵・ささみ・しらす・豆腐などのたんぱく質をプラスして、徐々にいつものごはんに戻していきましょう。
もし、なかなか食欲が戻らないときは、冷たくてほんのり甘いアイスがおすすめです。甘いものを少し食べるだけで、元気になることもあります。
※子どもが1歳以上であれば、砂糖の代わりにハチミツを使っても大丈夫です。
豆腐と砂糖を、ゴムべらなどでよく混ぜ合わせます。
※ミキサーなどを使うとラクに混ぜることができます。
容器に流し入れ、冷凍庫で1時間ほど冷やします。
あまり長時間固めるとカチカチになってしまうので、固まる前に一度混ぜておきましょう。食べやすくなりますよ。
これで、できあがりです。
豆腐アイスにバナナと牛乳を加えてシャーベットを作ってみましょう。
※子どもが1歳以上であれば、砂糖の代わりにハチミツを使っても大丈夫です。
バナナをフォークなどでつぶし、豆腐と砂糖を加え、ゴムべらなどでよく混ぜ合わせます。
牛乳を加えて、さらに混ぜ合わせ、なめらかにしましょう。
容器に流し入れ、冷蔵庫で1時間ほど冷やし固めたらできあがりです。
牛乳の代わりに豆乳、粉ミルク、ヨーグルトを使うのもいいですね。粉ミルクや調整豆乳は甘味があるので、砂糖の量を調節しましょう。いちごやキウイフルーツなどの果物を使ってもおいしくできます。子どもの好きな味にアレンジしてみてください。
※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです