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【北京=川手伊織】中国共産党は29日、中央政治局会議を開き、2022年の「5.5%成長目標」を堅持する方針を確認した。新型コロナウイルスを徹底して抑え込む「ゼロコロナ規制」などで、最近の経済は失速している。秋の共産党大会を控えて、インフラ建設の加速などで成長を押し上げる狙いだ。
直近の経済情勢は、新型コロナのまん延とウクライナ危機で「複雑さや厳しさ、不確実性が増している」と指摘した。上海市が1カ月続けている事実上の都市封鎖(ロックダウン)は打撃が大きく、22年の中国経済は4%前後の成長率にとどまるとの民間予測もある。
それでも政治局会議は「経済社会の発展に関する通年の予想目標を達成するよう注力しなければならない」と強調した。習近平(シー・ジンピン)指導部はあくまで政府活動報告で掲げた「5.5%前後」の成長にこだわる姿勢を示した。
習指導部は秋の党大会で3期目入りをめざす。支持固めにはウイルスの制圧とともに、経済の安定成長も欠かせない。国務院(政府)関係者は「今年の成長率が米国を下回らないよう、指導部が景気の下支えを指示している」と語る。
国際通貨基金(IMF)が予測する22年の実質経済成長率は、中国が4.4%、米国が3.7%だ。中国経済が一段と下振れして、米中の成長率が逆転すると1976年以来となる。米国に覇権争いを挑む習指導部にとって避けたい事態だ。
政治局会議は内需の拡大へ「インフラ建設を全面的に強化する」とした。中央政府は地方政府に、インフラ債の発行を急がせる。中国メディアによると、3兆6500億元(約71兆円)の年間発行枠の大半を6月末までに使い切るよう指示した。事業の進捗も早め、22年の成長を底上げしたい考えだ。
政治局会議は、習総書記(国家主席)が主催し毎月開く。3カ月ごとに経済の現状を点検し当面のマクロ経済運営の方向性を定める。
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