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～諸試験・オペレーション訓練を経て、来年3月から稼働～
2022.10.06
清水建設（株）＜社長 井上和幸＞が約500億円を投じ、ジャパン マリンユナイテッド（株）＜社長 千葉光太郎、以後JMU＞に建造を発注した世界最大級の搭載能力及びクレーン性能を備えた自航式SEP船がこのほど完成しました。本日、停泊中の（株）JMUアムテック（兵庫県相生市相生、以後アムテック）事業所で執り行われた命名式において、SEP船に「BLUE WIND」と命名し、船名を披露しました。BLUE WINDは今後、約4カ月に及ぶ諸試験・オペレーション訓練を経て、5兆円超の市場規模となる洋上風力発電施設建設工事に投入され、洋上風車の施工で卓越したパフォーマンスを発揮することが期待されています。
命名式には、当社、JMU及び、アムテック、運航管理を委託する深田サルベージ建設（株）の社長をはじめとする関係者が出席。当社社長による命名・船名披露の後、造船業の仕来りに倣い支綱切断を行い、完成を祝いました。船名には、当社のコーポレートカラーを基調とするSEP船が風のように海原を駆け巡り洋上風力発電施設の建設市場を席巻する、という思いが込められています。
完成したBLUE WINDは、全幅50m、全長142m、総トン数28,000t、クレーンの最大揚重能力は2,500t、最高揚重高さは158mで、世界有数の作業性能を備えています。水深10～65mの海域での作業に対応でき、作業時には4本の脚を海底に着床させ、船体をジャッキアップさせることで海面から切り離し、波浪に左右されない作業条件を確保します。最大で8MW風車なら7基、12MWなら3基分の全部材を一度にフルサイズで一括搭載できるので、特に大型風車の施工で優れたパフォーマンスを発揮します。また、太平洋側の特徴である10秒程度の長周期波浪（うねり）においても船体のジャッキアップ・ダウンが可能であり、既存のSEP船に比べ非常に高い稼働率を発揮する見込みです。
明日、BLUE WINDはアムテック事業所から出港し、諸試験を行いながら四国沿海を時計回りに航行し、10月20日に広島県内の海域に入ります。計画では、約4ヶ月間、瀬戸内海で船体のジャッキアップ・ダウン、クレーン操作をはじめとする諸試験とオペレーションの習熟訓練を実施します。現場での稼働は3月からで、初めに（株）ウェンティ・ジャパンが洋上風力発電施設を計画している富山県下新川郡入善町沖で、3MW風車3基の施工を手掛けます。その後、北海道の石狩湾に向かい、（株）グリーンパワーインベストメントが2007年より事業開発を進める、日本初の8MW大型風車を採用した国内最大級の商用洋上風力発電所となる石狩湾新港洋上風力発電施設の施工に向けて6月中に室蘭港にて艤装を整え、7月から始まる施工に備えます。
日本政府による2050年カーボンゼロ宣言を踏まえ、今後、再生可能エネルギーの切り札として洋上風力発電施設の建設プロジェクトが日本各地で本格化します。また、欧州や米国、アジアでは、大規模な洋上風力発電施設の建設プロジェクトが次々と着工しています。このため、世界的に旺盛なSEP船需要があり、当社は国内外の発電事業者からBLUE WINDによる施工検討依頼を受けています。当社はこうした建設需要を着実に取り込み、洋上風力発電施設施工のトップランナーを目指します。
以上
≪参 考≫
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