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レビュー
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マルチモニターにすればテレワークが捗るぞ! という話は聞くけれど、ネット通販を覗くと据え置き型のモニターから持ち運びも可能なモバイルモニターまで、いろいろな価格帯のいろいろな性能のものがあって選びきれない。そんな風に悩んで結局買えずにいるアナタにおすすめしたい製品が登場した。Lenovo「Yoga Tab 13」だ。
13型の大きさのAndroidタブレットだが、HDMI入力端子を備えており、パソコンやゲーム機などの画面を映せるモバイルモニターとしても使える風変わりなデバイスだ。かつて、HDMI出力端子を備えるAndroidタブレット(Nexus 10)は存在したが、入力端子を備えるものは極めて珍しい。
仕事中はパソコンのセカンドディスプレイとして使い、プライベートタイムではそのままAndroidタブレットとして活躍するこの製品があれば、在宅勤務の充実度は計り知れないほどにアップするはず。というわけで、どんな風に使えるのか確かめるため、試してみることにした。
Androidタブレットの部分よりも、まずは一番気になるモバイルモニターとしてどうなのか、という点をさっそくチェックしてみたい。
Yoga Tab 13は、13型、2,160×1,350ドットという大画面・高解像度のIPS液晶ディスプレイを備えている。背面には畳んで収納できるスタンドがあり、姿勢や用途に応じて無段階で角度調整して使うことが可能だ。本体下部は円筒型に膨らんでいて、ここにステレオスピーカーが内蔵されており、左側に映像入力用のMicro HDMI端子が、右側に充電・データ転送用のUSB 3.1 Gen.2ポートがそれぞれ設けられている。
モバイルモニターとして使いたい時は、HDMI入力端子にただケーブルを接続するだけでよく、なんらかのボタン操作が求められることはない。Androidタブレットとして使用しているときでも、HDMIケーブルをつないで数秒ほど待つと画面が自動で切り替わり、モバイルモニターに変身する。
あとは通常のモバイルモニターとほとんど変わるところはない。最大2,160×1,350ドットの高解像度でパソコンやゲーム機のモニターとして普通に使うことが可能だ。ただ、ここで注意しておきたいのは、「画面内のボタンなどのタッチ操作はできない」ということ。
元々がタッチで操作するAndroidタブレットなので、HDMI入力で映し出しているパソコンのデスクトップなども操作できそうに思えてしまうが、入力しているのは映像信号のみなので、映像が見られるだけ。挙動としては、HDMI入力するとAndroidとは別のOS領域に切り替わるようなイメージ。モバイルモニターとしての利用時はAndroidとは一切無関係な状態になっていると考えておこう。
ただし、タッチ操作が一切できないわけではない。映像の縦横比(16:9と16:10)の切り替えや輝度調整は画面タッチで行なえる。モバイルモニターとしての利用を終えるときは、HDMIケーブルを抜くか、映像出力元のデバイスからの出力をオフにするだけ。即座にAndroidに戻ることができる。
ちなみに、Androidタブレットとして動作しているときは、USBポートからDisplayPort Alternate Modeによる映像出力が可能だが、モバイルモニターとして動作しているときは映像出力はされない。なので、HDMI入力した映像をさらに別の外部モニターに出力するような使い方は不可だ。
Yoga Tab 13は「バッテリー内蔵モバイルモニター」という見方もできる。電源を確保しにくい場所でも気軽に使えるという意味では、まさにモバイル用途にぴったりだ。ノートパソコンと一緒に持ち運び、自宅や外出先の好きな場所で、広いデスクトップ環境で仕事できる。カフェで電源がなくて困るようなこともない。
一般的な(バッテリー内蔵ではない)モバイルモニターだと、電源を確保できないときはノートパソコン本体から給電することになり、ノートパソコン自体の稼働時間が短くなってしまう。10,000mAhもの大容量バッテリーを内蔵するYoga Tab 13なら、そういった不安要素なしに長時間に渡って作業できるわけだ。
また、モバイルモニターとしては一般的な13型で、Nintendo Switchのようなゲーム機との相性もいい。Nintendo Switch自体のディスプレイは6.2型と小さく、1人で遊ぶならいいが、複数人で同時にプレーするのには向かない。しかしYoga Tab 13に画面出力すれば見やすい大画面でマルチプレーも快適だ。旅先で遊ぶのにももってこいだろう。
「Chromecast with Google TV」や「Fire TV Stick」などと接続して使うのも面白い。持ち運ぶときにはAndroidタブレットとして、据え置きするときはスマートディスプレイ的なデバイスとして楽しむ、なんて活用法も考えられる。
そもそもがAndroidタブレットなので、似たようなことができるChromecastなどのキャストデバイスをわざわざ使うこともないのでは、と思うかもしれないが、まるでテレビのように、リモコンで手の届かない距離からでも画面操作できるのは、据え置き時には便利だ。
また、Yoga Tab 13をモバイルモニターとして使っている間は、USB Type-Cポートは外部デバイスの給電にも使える。何が言いたいかというと、「Chromecast with Google TV」のようにUSB Type-C接続で給電するキャストデバイスなら、Yoga Tab 13のUSBポートからそのまま給電できる、ということ。
つまり、外部から電源を引っ張ることなく、Yoga Tab 13とChromecast with Google TVだけで、バッテリー内蔵のスマートディスプレイ的なデバイスを完成させることができるのだ。さらにバッファローの「nasne」など、ネットワーク経由でテレビが見られるチューナーも組み合わせれば、リモコン操作できるテレビそのものになる!(リモコン操作にこだわらないならシンプルにAndroidタブレットとして、nasne専用のtorneアプリを使えばいい)
さて、HDMI入力できるユニークな機能に目が行きがちだけれど、純粋にAndroidタブレットとして見たときには、Yoga Tab 13はかなりのハイスペックモデルであるところが魅力だ。
OSは正式リリースされているなかでは現時点で最新のAndroid 11。プロセッサーはクアルコムのSnapdragon 870で、同888シリーズに次ぐ性能をもつハイエンドに近いチップを搭載している。メモリは8GBで、スマートフォンも含めAndroid端末としては大容量の部類に入る。
なので、3Dグラフィックを多用するゲームも、シビアな反応速度が求められるリズムゲームも、高解像度でありながら描画のもたつきは感じられず、動作は快適だ。没入感が高まるのは、やはり13型という大画面のおかげ。本体下部にあるステレオスピーカーの音質はクリアで、映画もゲームも、あるいはモバイルモニターとして使っているときも、高い臨場感を味わえる。
ゲームではなく、仕事の資料を閲覧するような場面でも、視認性が高まる大画面は利点と言える。ただ正直なところ、モバイルモニターとしては都合が良くても、Androidタブレット単体として見たときには、このディスプレイの大きさはオーバースペック気味と感じるところもある。
縦横サイズはほぼA4ジャストの約293.4×204.0mm、重量は約830gあり、片手で持って作業するには向かない大きさ・重さというのがまず1つ。スタンドを使って立てて使う、もしくはスタンドをフックに引っ掛けて吊して使うのが基本になるだろう。スタンドはコンパクトなこともあって膝にのせにくいし、もちろん寝そべりながら使うのも重いから厳しい。形状が独特なため、縦置きは難しく、汎用のタブレットホルダーを使いにくいのも弱点だ。
写真を閲覧するときは、たしかに高解像度であるほどありがたい。けれど、動画の場合は配信も含めほとんどが現状フルHD(1,920×1,080ドット)画質で、ディスプレイがそれ以上の解像度になっていてもあまり意味はない。13型の大きさかつ高解像度を活かせるAndroidアプリが少ないのも、オーバースペックと感じる理由だ。
なお、ストレージは128GB。通常の使い方なら十分だが、SDカードスロットを搭載しないこともあり、動画やアプリを大量にダウンロードしておきたい人にとってはやや心もとない容量かもしれない。USBポートに接続した外部ストレージに、逃がせるデータはできるだけ逃がす、といった方法を検討したい。
Androidタブレット、かつモバイルモニターとしても使えるのは、ユニークなうえに実用性も高く、とりわけ現在のようにテレワーク主体の働き方が当たり前の状況では、活用できる場面は多いに違いない。Android端末としての性能が高く、動画やゲームを余裕で処理できるのも非常に満足度が高い部分だ。
ハードルとなりそうなのは値段。Yoga Tab 13の実売価格は8万円前後で、十分なスペックを備える他のAndroidタブレットやモバイルモニターをそれぞれ単体で、まとめて買ってもお釣りがきそうなこの値段をどう考えるか。
モバイルモニターとしてはちょうどよくても、Androidタブレットとしてはサイズが大きく、重い。それぞれの用途にベストなサイズ感があることを考えれば、タブレットとモバイルモニターを別に揃えた方が使い勝手がいい、なんてことも大いに考えられるだろう。2種類のデバイスを1台でまかなえるというメリットに、値段以上の価値を見いだせるかどうか、じっくり悩みたいところだ。
Web媒体記者、IT系広告代理店などを経て、フリーランスのライターとして執筆・編集業を営む。AV機器、モバイル機器、IoT機器のほか、オンラインサービス、エンタープライズ向けソリューション、オートバイを含むオートモーティブ分野から旅行まで、幅広いジャンルで活動中。著書に「できるGoProスタート→活用 完全ガイド」(インプレス)、「はじめての今さら聞けないGoPro入門」(秀和システム)、「今すぐ使えるかんたんPLUS+Androidアプリ 完全大事典」シリーズ(技術評論社)など。Footprint Technologies株式会社 代表取締役。
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