Q 60代女性です。早期胃がんと診断され、腹腔鏡下幽門側胃切除の手術を3月18日に受け、同29日に退院しました。術後1カ月半たちますが、食べる量が少なく、水分も十分に取れません。そのためか、術後40キロだった体重が37キロになってしまいました。
病院からは常食で大丈夫と言われましたが、「カロリーメイト」のような固形物しか胃が受けつけないので、何を食べたらいいのか分かりません。
A 胃の容積が大きくなることはありませんし、胃の動きが元通りになることもありません。従って、食事の量を減らす必要があります。また胃の動きが悪いために胃から小腸への食物の移動には時間がかかります。少量をゆっくり食べて、時間を待つしかありません。
あまり食べられず、体重も減少するために、多くの胃手術後の患者さんは何とかたくさん食べようと努力します。胃の中に食べ物が残っているのに、さらに食事をして追加すると、食物がたまりすぎて苦しくなったり、残胃(術後残った胃)が拡張します。するとさらに胃の動きが悪くなり、悪循環に陥ってしまいます。食べなくてはならないという強迫観念から、胃の術後の患者さんは食べ過ぎて苦しくなる人が多いようです。
術後1~2カ月ではまだまだ腸の動きも十分ではありませんので、食事を詰め込まず、食物が残っているようであれば食事を取らずに水分を補給することをお勧めします。
食事の内容は、少ししか食べられないので、容積当たりの栄養価の高いものを中心に摂取してください。「カロリーメイト」などのような栄養補助食品は栄養価も高く、吸収も良好なので、特に術後食事の量が十分取れないときには大変良い食品です。液体、固形物、ゼリー状のものなど、食べやすい形のものがありますので、好みで選んでください。おじややおかゆは水分が多く食べやすいのですが、栄養価は低いので可能であれば普通のお米を食べてください。
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