仕事で差がつく!ビジネス思考法
ある会社が苦境に立たされています。今期も大赤字が必至で、なんらかの手を打たないと会社が持ちません。そこで、実務担当者レベルで経費削減について議論することになりました。
会議の冒頭、営業部(Aさん)の出張費について、経理部(Bさん)から厳しい指摘がありました。「業績悪化にもかかわらず、出張費が増えているのは論外」「需要そのものが落ち込んでいるのに経費をかけても仕方がない」「前年比で半減しろ」というのです。
そう言われて黙って見過ごすわけにはいきません。2人のやりとりを少し見てみましょう。
この手の議論を「ゼロサムゲーム」と呼びます。片方が得た分だけもう片方は失う「トレードオフ」(二律背反)の関係で解決策を探ることです。
こうなると、営業部が折れて出張費50%削減を認めるか、経理部が折れて出張費のカットを撤回するか。あるいは、出張費の削減を25%にして痛み分けにするしかありません。
形の上では、それで決着するかもしれませんが、勝ち負けをつけてしまうと、負けたほうに恨みが残ります。痛み分けをしても、得た分より失った分が気にかかり、同じ話になります。おそらく、両部門のリターンマッチが別のテーマで繰り広げられることでしょう。
道具はカラーペンと紙 オンラインで議論をさばく方法
信じるのは成功ではなく自分 ポジティブ思考の神髄