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「電気自動車(EV)の戦国時代を戦う以前に、半導体不足と戦った1年だった。思ったよりクルマが造れない。私はドイツAudi(アウディ)に入社してから22年目だが、あれほど難しい1年は初めてだった」
2022年をこう振り返ったのは、アウディジャパンのブランドディレクターで、フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)社長を兼任するMatthias Schepers(マティアス・シェーパース)氏だ。EVシフトを推進するなかで、半導体不足による車両生産の遅れが足を引っ張ったようだ。
アウディジャパンは2023年1月20日に年頭会見を開き、2022年を振り返りつつ今後の事業戦略を説明した。同社が2022年に日本で販売したEVは808台で、販売台数全体に占めるEVの割合は3.9%だった。決して大きな数字ではないが、EV販売比率は2021年の1.5%から増えた。
2022年秋に発売した小型SUV(多目的スポーツ車)タイプのEV「Q4 e-tron」は2000台以上の受注を獲得。シェーパース氏は「EVへの転換がじわじわと始まっている」との手応えを口にした。
2023年は、EV販売比率を12%まで高める計画だ。部品不足に起因する車両の生産遅延の影響が残る可能性はあるが、「最低でも2022年比で3倍にしたい」(同氏)と語った。年内には大型SUVタイプの新型EV「Q8 e-tron」を日本に導入することも明かした。
2023年1月末に日本市場でEVを発売する中国・比亜迪(BYD)を筆頭に、競合メーカーもEV投入を加速させる。シェーパース氏は「(中国を中心とする)EVの新しいプレーヤーは、自動車メーカーのお膝元であるドイツと日本の市場を抑えにくる」と語り、BYDに次ぐ“黒船”が襲来するとの見立てを披露した。
競合が増えていくなかでアウディジャパンは、EVのラインアップ拡充と並行して急速充電網の整備を強化する。2022年は、出力150kWの急速充電器を全国のアウディ販売店に52基設置した。2023年は、同販売店に設置済みの50~90kWの50基の充電器を150kW品に置き換えていく計画である。
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